Zienzeleのはじまり
Zienzeleは、ジンバブエを拠点に活動していた2人の女性、プリスカ・ネマパレとナンシー・クラークの出会いがきっかけで始まりました。
1984年、プリスカは、オハイオ大学で栄養学を教える傍ら、母国ジンバブエで生活する女性と子どもを対象に、栄養状態を調査する活動を開始しました。これは米国の国際環境NGO「アースウォッチ」のプロジェクトとして行われたものでした。1998年と1999年には、米バーモント州の看護師ナンシーがボランティアとして参加。しかし、2000年にジンバブエの政治情勢が悪化し、アースウォッチの支援が中止になりました。それでも諦めることなく、プリスカとナンシーは新しい道を模索し始めます。
調査の中で2人は、HIV/AIDSの流行により親を亡くした孤児たちの危機を目の当たりにしました。子どもと高齢者の間の親の世代が著しく影響を受け、残された孤児の面倒を見る女性や高齢者の苦労する様子を見たのです。プリスカとナンシーに救いの手を求める人たちに応えるため、この経験をZienzeleの活動目的の基盤とすることにしました。
ジンバブエには、現在、Zienzeleのボランティアネットワークがあり、プリスカとナンシーが不在の時にはボランティアが作業の実施・指導をしています。3人のコーディネーターが中心になり、それぞれが複数の地域を担当しています。また、23の学区それぞれに、孤児の世話をする家族や地域の中から選ばれた代表者がいます。このモデルにより、責任の所在が明確になり、問題発生時の迅速な対応を保証しています。
Zienzeleは、ジンバブエでは「慈善団体」、アメリカでは「501(c)(3)の非営利団体」として認定されており、それぞれに理事会があります。米国内外からの個人の寄付のほか、現地の自助グループが手作りしたバスケットの販売で得た収益も、孤児の学費の重要な資金源です。ナンシーの住む米オハイオ州アテネのほか、日本でも京都で支援活動が行われています。
Zienzele メンバー
共同創設者:プリスカ・ネマパレ
ジンバブエの農村部出身。祖母のもとで育ち、幼い頃から勉強熱心だったプリスカは、奨学金を得てアメリカに留学し、その11年後に栄養学の博士号を取得しました。その後、オハイオ州
アセンズのオハイオ大学で栄養学を教えました。
共同創設者:ナンシー・クラーク
米バーモント州出身。バーモント大学で看護学を学び、この頃から地域医療や地域貢献に関心を持ち始めます。卒業後は、女性と子どもの健康と福祉を中心にキャリアを築いてきました。ニューヨーク市では病院の小児科に勤務。コネチカット州とバーモント州では、若い子育て世帯の在宅医療のニーズに応えるプログラムを構築しました。このキャリアの経験がZienzeleの活動につながっています。
アシスタント: ブレッシング・マトゥリ
ジンバブエの首都ハラレ在住。Zienzele唯一の有給スタッフです。プリスカとナンシーがマシンゴ州(ジンバブエ 南東部)の集落を訪れ活動する際には欠かせない存在で、2人のサポート役としてあらゆる仕事をこなします。