子ども家長世帯支援プログラム

子どもの数だけ物語があります

子どもを家長とする世帯

ジンバブエでは、HIV/AIDSにより、多くの子ども達が両親を亡くし孤児となっています。その大半は世話をしてくれる大人がいますが、多くが高齢の祖父母で十分に面倒を見ることができません。そのため、子どもが家長となり、兄弟を支えていかなければなりません。それでも子ども達は、強く立派に生きています。 


ー子ども達の物語ー

ラティゾ・シュンバ

プリスカとナンシーは、2015年にラティゾに出会いました。脳性麻痺による障がいがあり、2014年に両親が亡くなった後、親戚には受け入れてもらえませんでした。その後、Zienzeleの活動にかつて参加していた近所の老人がラティゾを引き取ることになり、以来、Zienzeleは子ども家長世帯支援プログラムの一環として、この家庭を支援しています。

Zienzeleの尽力により、ラティゾは小学校に通えるようになりました。障がい児の受け入れ体制は不十分でしたが、とても優秀な生徒で、誰もが将来性を確信するほどでした。将来の夢は弁護士になることで、担任の先生からは中学校に進むべきだと言われていました。そこでZienzeleは、ベレジェナ中学校の校長を訪ね、ラティゾが学業を継続できるよう交渉し、入学の機会を与えてもらえることになりました。

現在ラティゾは、ベレジェナ中学校の1年生です。歴史が得意で、弁護士になる夢に向かって頑張っています。入学後、プリスカとナンシーが副校長を訪ね、ラティゾの障がいに対するサポートが受けられるよう話をしました。


サビナ・ムギヤ

サビナには、姉2人と兄1人がいます。3歳の時に母親を亡くし、その頃からZienzeleの支援を受けています。現在はアーク・ムナカ中学校の1年生で、小学校でも中学校でも成績は優秀です。しかし、姉兄が皆家を出てしまったため、アルコール依存症の父親の世話と家事をすべて行わなければなりません。

虐待する父親や都合よく人を利用しようとする親類たちーこのような劣悪な環境に置かれているだけでなく、若い女性であるがゆえの危険にもさらされています。将来は看護師になることが目標であり、サビナが夢を叶えることが、Zienzeleにとっての願いでもあります。


ヴィンバイ・チャペタ

ヴィンバイと妹のニャーシャは、両親の死後、叔母夫婦に引き取られ、Zienzeleの支援を受けて小学校に通いました。その後間もなく2015年にニャーシャが亡くなり、ヴィンバイは叔母夫婦の家から追い出されてしまいます。しかし、成績優秀であ

ったため、ベレジェナ中学校では、6年生まで寮に住まわせてもらうことができました。現在はミッドランズ大学で経営学を学んでおり、卒業後は起業したいと考えています。

多くの困難を乗り越えてきたヴィンバイは、強さと忍耐力を持って前進し続けています。学習意欲には目を見張るものがあり、明確な目標に向かって結果を残していく姿には感銘を受けます。


ワトソン・チャイメア

ワトソンは現在16歳。家庭の事情により2年間も学校に行けなかったため、7年生としてチャマツツ小学校に通っています。父親に捨てられた後、残された牛の世話をしながら1人で暮らす彼は、朝起きるとまず、牛をルンデ川まで連れていきます。そして走って学校に行きます。学校が終わると川へ戻り、牛を集めて家へ連れて帰ります。ワトソンは、自分の置かれた状況に屈することなく、医者になるという夢に向かって、一生懸命勉学に励んでいます。

この春、ワトソンは、Zienzeleのワークショップに参加し、自分だけ年が上であるにも関わらず、熱心に取り組んでくれました。グループセッションでは、恥ずかしくて発言できない生徒がいる中で、積極的に発言し、リーダーシップを発揮しました。

Zienzeleの支援は最小限のものでしたが、ワトソンは、自分の力で未来を切り拓く力を身につけました。彼がこれからどのような人生を歩んでいくのか、とても楽しみです。


ガヴュ兄弟

この家族はZienzeleのプログラムに新しく加わった子ども家長世帯。中学1年生のラティゾ、小学5年生のアルファ、小学2年生のシェパード、小学1年生のハードライフは、今にも崩れそうな住宅で4人だけで生活をしています。Zienzeleが初めて訪問した時、食べ物も薪も、何も持っていませんでした。この兄弟の存在を教えてくれたのは、ネマウシェ学校の校長でした。校長は学費を払えない彼らが学校に通い続けることを許し、学校に通わせることで1日1回は食事をできるようにしていたのです。 

この家族は、Zienzeleが直面する新しい課題の一例です。ガヴュ兄弟の父親は生きていますが、北部で金鉱を掘る仕事をしていて家に帰ってくることはありません。母親は4人の子どもたちを残して家を出た後再婚しました。本来世話をしてくれるはずの祖母は、母親の行動を恥じて、子どもたちの世話をすることを拒んでいます。

私たちは現在新しい現象を目の当たりにしています。それは、HIVではなく、社会的要因の結果としての「子ども家長世帯」です。Zienzeleにとって、支援するのに「なぜ」という理由は重要ではありません。4人の子どもたちは、私たちが支援するコミュニティのなかで最も弱い立場にいて、そんな彼らを支援するのがZienzeleの役割なのです。


パメラ・マホホマとタシンゴ・マコべレ

パメラは、妹のイボンヌと祖母と暮らしていた7年生の時にZienzeleの支援を受け始め、看護師になる夢を持ちながら6年の中等教育を修了しました。しかし、2015年に強制結婚をさせられ妊娠したことから、夢を断念せざるを得ませんでした。Zienzeleとは何年も連絡が途絶えていましたが、2019年にパラダを訪れた際、パラダ小学校で未就学児クラスの先生をしているパメラに再会しました。この時再会を喜び、また学生に戻りたいと話してくれました。そして、7歳で2年生の息子のタシンゴを「賢い子」だと紹介してくれました。

 

夫とはすでに縁が切れている状態でしたが、夫の家族とは複雑な状況にありました。大学に通うのに夫の家族の許可が必要だというのです。そこで、Zienzeleが許可の交渉の手助けを行い、パメラは進学の夢を叶えることができました。現在はグレート・ジンバブエ大学で初等教育を専攻しています。 



パラダでの再会以来、パメラは、Zienzeleの子どもたちの良き先輩、リーダー、教師として活躍しています。特にZienzeleハウスに住む大学生の後輩たちにとって、ワークショップの素晴らしいリーダー、相談役として良い刺激を与えています。

子ども家長世帯を支援してみませんか? 



365米ドルで、子ども家長世帯の1年間の学費と制服代、生活費(食料、医薬品、消耗品など)、そして衣料や靴の配送費を提供することができます。



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